下田修平のブログ (ほぼ休眠中)

選挙立候補時の経験を書いてみました、今後無所属でどこかに立候補される方の参考になれば幸いです。今は普通に勤め人です。

選挙におけるSNSの効果的利用法

23年1月の軽井沢町長選に立候補表明した22年10月上旬、私はまだ上海にいました。ゆえに、「お前はガーシーか?」みたいなことも言われましたが、そういう状況であったがために飛び道具に頼らざるを得ませんでした。具体的には、twitterです。インスタやyoutubeも考えましたが、正直twitter一つで精一杯でした。そこで書いた「真面目な話(選挙や政治の話)」を、ブログに転載していたので、正確に言うと主にtwitterとブログです。そのtwitterを使う際に、明確に一つの目標を立てていました。それは、Googleで「軽井沢町長選」と検索した場合に、私のtwitter或いはブログが検索結果1ページ目に載ること、でした。

選挙も迫ってきたけどどの候補者に入れるかまだなんも考えてないし、演説会なんてわざわざ行くのめんどいな、ネットで候補者がどんなこと言ってるのかちゃちゃっと確認しようかな、という有権者が簡単に私のサイトに辿り着けるように、という意図です。サイトをじっくり見ていただかないにしても、検索したら先ず「下田修平」の名前が目に入った、だけでも効果はあると思います。

ではどうやったらそれが達成されるか、なんですが、当初私は誤解していました。閲覧者数が多いと上位に表示されるようになるものだと思っていたのです。しかしネット上でよくよく調べると、主に以下の2点がキーポイントとのこと。それは

1.更新頻度

2.専門性

です。2についてもう少し詳しく説明すると、例えば「漫画とカレーと選挙と政治とカメラと猫とラーメンとサッカーと糖尿病と軽井沢とベレー帽について等しく話題が散りばめられた内容」では、専門性が無いと判断されます。かといって、ずっと政治や選挙の話を毎日何回も更新するのは、私には無理でした。そもそも、そんな固い内容ばかりでは誰にも読まれないかもしれません。したがい、私の場合は「真面目な軽井沢町政や新庁舎の問題点」のような話題と、「それらと全く関係ない話(何食べたとか、どこ行ったとか)」が50:50になるように投稿していきました。最初(投票日3ヶ月前)はGoogleで「軽井沢町長選」と検索しても3ページ目がやっとだった私のブログ及びtwitterも、投票日2週間前頃には1ページ目に載るようになりました。

ただし、そこまでやってもそれで当選できるほど甘くはありません。このような手法は、一般的に都市部でより有効とされています。地方では、リアルなお付き合いとか親戚関係とかがより重要となります。もう一つ言うと、首長選みたいな立候補者が2〜4名しかいないケースよりも、議員選挙のように何十人と立候補するようなケースでより有効となります。立候補者が何人いようとも、グーグルの1ページ目に載ることのできる件数は一定だからです。私の場合、たった数名しか立候補しない選挙であっても、知名度0からのスタートだったのでネットに頼らざるを得なかった事情があります。

先ほど「更新頻度と専門性」と書きましたが、この二つを同時に追求できている身近な例は「御代田のガーシー」さんです。彼は御代田の現職町長の問題点を毎日何回も更新し、且つそれ以外のネタはほぼ全く0。たまにH川さんをディスるくらいです。ただし、先ほども述べたように毎回お固い政治の話では、読者はくいつきません。だから、あえて挑発的・攻撃的・過激な書き方にすることで読者を惹きつけようとしている、と思われます。H川さんをディスっているのも、H川さんが知名度高いから(=H川さんのフォロワーがたくさん見てくれるから)敢えてそこに突っ込んでいっているのかもしれません。本当は、愛しているのかもしれません。

あと、お金で解決することもできます。私は立候補表明直後、浜田参院議員から「ボネクタに登録するのをお勧めします」と言われました。結局費用をケチりたかったのと、文章書くのが苦でなかったという理由で、自分でやることにしました。ボネクタを使用すれば数日以内にグーグル検索1ページ目に「選挙ドットコム」の自身のページが来るようになりますし、そこに自らのプロフィールや政策、SNSへのリンクが掲載されます。利用していないので具体的な金額は知りませんが、「ボネクタ」でGoogle検索すれば1ページ目に出てきますので、そちらをご参考ください。

統一地方選投票日まで2ヶ月を切っていますが、特に後半戦(4月23日)の場合はまだまだやれることがあると思います。ご参考になれば幸いです。

 

町長選の費用

私が町長選に出る前も出た後も思うことは、「民主主義とは、選挙にもっとみんな気軽に立候補できる社会」「この前選挙出馬したけど落ちちゃったよアハハ、くらいの会話がそこここで聞こえる社会であってほしい」ということ。軽井沢の高校生との討論会でも、将来もし行政や社会に不満を持つことがあれば、どんどん選挙に立候補してほしいと伝えました。

一方で、選挙とはそれなりにお金もかかるという側面も伝えなければ公平では無い、とも思いますし、もっと言うと「頑張ればそんなにお金はかからない」とも思います。以下に、私が23年1月に軽井沢町長選に立候補した際の費用を記します。

*選挙の種類によってかかる費用は当然異なります。以下は町長・村長選の話です

*前提として、軽井沢町の有権者数は約1.8万人、選挙期間は5日 

1. 供託金: 500,000円

2. ポスターのデザイン・印刷: 185,535円 (149枚)

3. ビラのデザイン・印刷: 42,515円 (5000枚)

4. 選挙カーのレンタル: 85,800円 (10日間)

5. 選挙カーの看板作成: 301,400円

6. 立候補記者会見会場: 100,000円(4時間)

7. ポスター貼り代行: 160,622円 (149箇所を告示当日)

8. ビラを新聞に折込: 29,040円 (4000枚)

9. ポスター・ビラ用写真撮影: 59,400円

合計:1,464,312円

このうち、有効投票数の1/10を獲得できれば、1は返還、2〜4は自治体負担となります。私はそれに及ばず自腹。特に2〜4の公費負担という部分は、2020年秋から始まった制度なので、統一地方選としては今年4月が初めての適用となります。また、首長選ではなく議員選ならば、没収・公費負担ラインは有効投票数÷議席定数÷10となります。当然、政党の公認や推薦を受ければ、これらの費用も全額或いは一部を政党から出してもらえるでしょう。私のように完全無所属の場合は、自己負担です。但し、選挙期間中に個人から寄付をいただくことは可能です。私の場合は、何人からという部分は伏せますが、合計3万円の寄付をいただいております。

5. 選挙カー看板作成に関しては、ご自身で作る方もいると聞きました。一応サイズが決まっていますので、具体的には地元の警察署か選挙管理委員会に訊き、それに基づいて自分で作成というのも良いでしょう。

9. 写真撮影も、プロに頼らず、カメラ撮影が趣味の友人などに頼るという方法もあるかもしれません。

6. 記者会見会場費用は、完全に見栄を張りすぎてしまいました。浜田参院議員に「役所や公民館でやればタダ同然ですけど」と言われた時には後の祭り。

7.ポスター貼りは、後援会やボランティア組織に貼ってもらうのがむしろ普通らしいです。私は地盤も所属政党も無いため、バイク便業者に頼りました。軽井沢町は人口2万人程度なので149箇所で済みますが、東京や埼玉等の市区になったら何千ヶ所という規模になるはずですし、費用も50万〜100万円になりえます。

一方、私は公選ハガキは使いませんでした。これも供託没収ラインを上回れば公費負担となりますが、そもそも町民の個別の住所を知らなかったので、送りようがなかったです。 というわけで、

①供託金没収ラインを上回る自信がある

②選挙カー看板作成やポスター貼りを手伝ってくれる仲間がいる

のならば、10万円程度で出馬できます。今からでも春の統一選は十分間に合うと思いますので、志有る方の出馬をお祈り申し上げます。 なお、私は事務手続きは全て自分でやりましたので、もし完全無所属で「そもそもどうやって選挙出るんですか?」という質問有る方は、遠慮なくお訊きください。「どうやったら当選できますか?」には残念ながらお答えできません。

選挙を終えての御礼

先ずは、当選された土屋さん、おめでとうございます。町政改革を切にお願い申し上げます。
私に関しましては惨敗と言うほかありませんが、605票いただけたことに感謝申し上げます。一方で、本当に私に期待していただいて投票してくれた方々に、申し訳ない気持ちもございます。

自分でも選挙というものが何がなんやらわからないまま突っ込んでしまい、「お前みたいなよそものが選挙に出るな」「反現職の票が割れるから立候補するな」というお言葉もいただきながら、それでも突っ走ることができたのは、本当に私の主張に共感いただけた皆様のおかげです。12月末、一人で軽井沢で年越しを迎えた頃、「もしかして俺、20票くらいしかいただけないで終わっちゃうのかな」とか、「俺のやってることって単なる自己満足なのかな」という不安で一杯でした。そこから、いくつかの討論会を経て自分の思いをストレートに直接伝えることができたことで、徐々に共感いただける方が増えていったと感じていますし、そこで得た皆様のご声援はかけがいのないものであると心の底から感謝申し上げます。
選挙は終わってしまいましたが、これがゴールだとは思っていません。最後に、敬愛する北野武監督の『キッズリターン』から。

「マーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな?」「バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ」

 

大浦洋介さんが自宅にお越しくださいました (自宅が選挙事務所なんです)

後援会もないし、地元政治家との繋がりもない私にも、かつて軽井沢の町議を3期務められた大浦洋介さんという方にご訪問いただく機会を得ました。私はいわゆる「選挙事務所」は持っておらず、しかし立候補届出時に登録しなければならないので、自宅を選挙事務所としております。当然ながら私が外回りしていたらここには誰もいなくなるので(一時期父がいましたが)、誰かがお越しくださってもご対応できないというありさま。しかしたまたまトイレ休憩で帰宅していたので、お会いすることができました。

以前に広川小夜子さん(このブログ読まれている多くの方がご存知だと思いますが、一応紹介しておきますと、軽井沢におけるアナ・ウィンターのような存在)から直接、「昔あなたのように、別荘族を代表して町長選に立候補した人がいた。その方が大浦さん」と伺っていたので、私にとってはレジェンドのような存在。お会いできて光栄でした。お歳を後で確認して驚きましたが、80歳を超えていらっしゃるように全く見えませんでした。選挙は別として、自分もそうありたい!

嬉しかったのは、このブログをちゃんと読んでいただいて、「言ってる内容が今回の立候補者の中で一番良い!」とおっしゃってもらったことです。書いててよかった、、、と実感しました。もう選挙期間はあと1日、このブログももうすぐ役目を終えます。もうちょっとだけ頑張ってみます。

 

参議院議員の浜田さん(NHK党)が応援に来てくれました

後援会もないし、地元政治家との繋がりもない私にも、「政治家の知人」がいます。浜田議員(NHK党)です。サッカー部の一つ下の後輩です(先輩風吹かすつもりは全くありませんが)。この部活の一つ下の後輩とは今でも交友関係が続いており、今回の選挙には浜田議員以外にも二人、東京から応援に来てくれています。

まずO川氏。twitterの方では何度か紹介しましたが、ここでは初めてかと。腐れ縁とはこのことで、上海駐在中に日本一時帰国した時は、毎回飲みに行ってました。思い出書くといろいろありすぎるので省略しますが、今回の選挙に関連して言うと、彼はとある千葉県議の選挙を手伝った経験あり。私が告示日にカラスボーイ(ウグイス嬢の男性版)の練習したら、「あー全然ダメっすね」とマイクをひったくり、カラス務めてくださいました。正直その腕前にかないませんでしたので、私はずっと運転手。今のところ、立候補者がずっと選挙カー乗り回す展開です。

次に50嵐氏。サッカーめちゃくちゃうまくて、浦和レッズのサテライト(いわゆる二軍)にいた経験あり。その中で最もすごいなと思ったのは、ボールの落下点をすぐに見極める技術。決して背は高くないのですが、先に落下点に入っているので、浮き球の競り合いに負けない。もちろんドリブルテクニックも秀逸。しかしなぜか、絶好のゴールチャンスで「わざとやりました?」といったシュートミスが頻発。それを改善すれば、次こそは千代田区長選当選すると思います。ちなみにお母上は元茨城県議、弟さんは現つくば市長。

そして浜田氏。NHK党の中でもっとも正統派の国会議員。私はNHK党の推薦や公認を受けている訳ではありませんが、その理念に共感するところ多々あり。既得権益へのNoをストレートに表現する、政治家になるためではなくNHKをぶっ壊すために「選挙や政治を手段にする」、後援会は作らない(でないと、後援会に支配される政治家になってしまう)、政治に文句があるなら自分で立候補してみれば、などなど。私は今回出馬して、考えれば考えるほどこの政党及び浜田氏が自分の理念に近いと感じました。

浜田議員と私とのyoutube対談は、下記ご参照ください。あらためて、軽井沢の問題点・課題をまとめております。

https://youtu.be/vzKOduXuc_U

新庁舎について、設計そのものをキャンセルすることはできるはず (お金を払えば)

今回の立候補者のうち、現職町長以外は「新庁舎の建設計画見直し」を掲げていますが、その中でも私は「設計から見直し」を提唱しております。設計からの見直しは難しい、もう設計事務所決めちゃったんだから今更無理でしょ、という意見もありますが、ここに「できる事例」がございます。

皆様ご存じの、2020東京五輪・パラリンピックの国立競技場建て替えです。あれは当初、1300億円程度での建設を見込み、その前提でザハ・ハディドに設計を託しました。しかし出来上がった案では2520億円。有識者会議でもこれは了承されましたが、その後国民の批判の声が強くなり、ついに安倍総理が「現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直す」と決断。その後、隈研吾さんの案が1490億円で採用されました。大事なのは、トップの決断です。国の施設なら総理、町の施設なら町長が、それができる、やらなければならない。 なお、ハディドさんに払ったキャンセル料は13億円です。1300億円で建てるつもりだったものに対し、13億円。当初計画の総事業費に対し1%です。軽井沢の庁舎にこの比率をあてはめるなら、1億円程度。どんなに高く見積もっても、ザハ・ハディド氏と全く同じだったとしても13億円。まあさすがにそれはないと思いますが、いずれにせよ設計費を50億円ほど減らせるならば、キャンセル料1億でも10億でも払った方が良いですよね?その契約キャンセル条項が、あるはずです。

建物には、維持費がかかります (新庁舎にお金をかければ、維持費も高くつきます)

 先日、とあるスーパーゼネコン元社員様からこの清水建設のサイトを紹介されました。建物というのは、一般的に60年の寿命と言われており、その間に建設費の4-5倍のライフサイクルコスト(光熱・用水費、管理費、修繕費など)がかかるそうです。もし軽井沢町の新庁舎の総事業費≒建設費が100億円ならば、60年で500億円はかかりそうです(軽井沢は冬寒いので、光熱費を多めに見ても良いかと)。つまり、一年で8億円。これがもし総事業費50億円(このブログでも既に書いた通り、他地区の市町村庁舎改築費用の相場から、この額が妥当と考えます)で済むならば、ライフサイクルコストはその半分、1年4億円です。つまり4億円が浮きます。

建物のLCC解説(清水建設)

 次に、軽井沢で年間4億円あったら何ができるか、考えてみました。最近、小池都知事が18歳以下全員に月5千円=年6万円の給付を提案しました。一方、国勢調査によると軽井沢には、令和2年時点で19歳以下の方が3546人住んでいます(18歳以下、という区切りではなかったです)。この人たち全員に年6万円支給すると、2.1億円です。また、66歳以上人口は6394人。仮にこの方々に年3万円分のタクシー券を支給した場合、1.9億円です。 この二つの金額を合計すると、あら不思議、ピッタリ4億円。

 100億円の新庁舎を50億円で済ませられれば、ライフサイクルコストの差額だけでもこの二つの支給策(高校生以下に年6万円、高齢者に年3万円タクシー券)が可能となります。単年ではありません、毎年です。 そういう金の使い方の方が、良いと思いませんか

選挙管理委員会 (ちょっと変わった高校での自治組織活動)

 町長選立候補準備のために選挙管理委員会といろいろやりとりする立場になって思い出したのが、「自分もそういえば選挙管理委員だった」という闇歴史。とはいえ、高校時代の話です。私の出身高校(麻布高校というちょっと変わった学校)には、生徒会がありませんでした。その代わり、予算委員会、サークル連合、選挙管理委員会という自治組織がありました。おそらく、生徒会という組織に権力集中するとロクなことがないという認識のもと、権力分散を図ってこのような形になったのだと思われます。選挙管理委員会の主な仕事は、文化祭実行委員会と運動会実行委員会の委員長を選ぶことです。あとは、たまに臨時に発生する全校投票の実施ですね。

 私はもともとこれに全く興味ありませんでしたが、同学年のガキ大将的存在の某氏が「下田、うちのクラスの選挙管理委員になってくれないか?」と持ちかけてきました。私は部活が忙しいことを理由に断りましたが、全く彼も引きません。しまいには、殴る蹴るという暴力を振りかざしてきました。じゃれあいのレベルを超え、本気のパンチ&キックです。今考えると本当にひどい話ですが、あっさり暴力に屈し、私はしぶしぶクラスの選挙管理委員となりました。

 そして最初の委員会に出席した時、私と同様にやる気のない連中ばかりである事に気づきました。この学校は中高一貫校なので自治組織も中1〜高3が一緒になってやるのですが、選挙管理委員会は高1が幹事学年でした。私はちょうど高1だったので、「よし、このダレきった組織に喝を入れてやる」と思い立ち、委員長となりました。自分のやる気のなさは過去に置き去りにして。仕事そのものはたいしたこと無かったと思いますが、とにかく「委員を委員会に出席させる」ことに努めた記憶があります。この学校は生徒の自由度が高いことで有名(校則なし、制服なし)でしたが、「義務を履行しないのも自由」と勘違いするアホも多かったので、先ずは出席率の悪い委員を個別に訪問し、「次回XX日に委員会あるから、出てね」と説得することにしました。自分より下の学年なら「オラオラ、おまえ委員会サボるとは上等じゃのう?」と脅せばOKでしたが、問題は高2・高3です。上級生になるほど不良化が進み、高3のとあるクラスは夏場は約半数が上半身裸で生活しているといった有様でしたので(現在ではエアコンが教室に導入され、このようなシーンはなくなりました)、そこに一人で乗り込んでいっても相手にされません。紙飛行機が飛んでくるだけです。なので、予算委員会やサークル連合などを仕切っていた高2・高3の先輩等に「XXさんに出席してくれるように言ってくれませんかねえ?」とお願いし、なんとか出席率を上げました。それでも委員会出席率は、せいぜい8割だったかなあ。

 で、選挙に際して立候補者の公開討論会などを実施するわけですが、事前質問提示は全くなし、質問は完全アドリブでした。一般聴衆からの質問終わった後、私から「文化祭っていうけど、この学校の文化って何でしょう?単なる『麻布祭』ってタイトルじゃダメなんですか?」と質問し、候補者を困らせてほくそ笑んでいました。我ながらちょっと性格悪いですが、自分が今月、逆の立場で同じような目に遭わないことを祈るのみです。

公職選挙法とは

選挙で最もやっていけないのは、買収=票を金で買う行為です。しかしそれ以外にもたくさんの規定があり、立候補者だけでなく有権者もその対象となります。残念ながら、知らなかったでは済まされません。

公職選挙法は、基本的に「お金持ちが当選しやすい状況をできるだけ少なくする」ことを目的としています。選挙で「投票する権利」の歴史は、中学や高校でもみなさん学んだはずです(とはいえ、私も詳細は忘れていましたが)。1889年に選挙権が確立されて以降、基本的には「納税額XX円以上の人しか投票できません」というルールでしたが、1946年の日本国憲法制定により、納税額や破産歴に関係なく平等に選挙権が与えられました。その一方、選ぶ側だけでなく選ばれる側も金持ちに偏らないよう、「選挙活動できる日数を制限する」ことになっています。選挙にはいろいろなお金がかかります。選挙カーのレンタル、ビラやポスターの印刷、事務員や運転手への日当、などなどです。日程が長期化するほど、当然費用は高くなるのです。ゆえに、選挙活動できる期間は最長で「参院選・県知事選で17日」、最短で「町や村の議員や首長で5日」と決まっています。

そしてその選挙期間前(=告示前)にやってはいけないこと、もいろいろ規定しています。簡単に言えば、「俺、近々XX選に出るから、投票よろしくね!」という行為は全て違反です。選挙管理委員会に注意されるだけでなく、警察も関与し、逮捕されるリスクが生じます。これは立候補を表明している人だけでなく、その支持者も対象なのですが、この部分がほとんど認知されていません。例えばあなたが、「今度の町長選に出るAさん、ほんとに素敵な人なの。ぜひよろしくね!」と友人に電話するのも公選法違反です。twitterなどのSNS上で、「Aさんこそ次の町長にふさわしい!」と感想を述べるのも違法です。電子メールやハガキでAさんのアピールをすることも、違法です。Aさんの名前と顔写真と公約を表記したビラを不特定多数に配る事も、内容と時期によっては違法です。これらは全て、告示後に許される行為です。しかし知らずにやっている人は多いですし、ひどい場合は「それが違法と知っている人」が「それを違法と知らない人」にそそのかすこともあります。

問題の一つは、「公選法を教わる機会がほぼない」ということです。もちろん、大学で法学部に進学する人以外、法律を教わる機会というものはありません。自動車免許の取得・更新時に道交法を教わるくらいなものですが、それでもほとんどの人は「人を殺したら殺人罪」「人を殴ったら傷害罪」「他人の持ち物やお金を盗んだら窃盗罪」というのは知っています。それは、日本のなかで日常的にこれらの犯罪が発生しており、頻繁にテレビや新聞で報道されているから「これは悪いことなんだ」「違反したら牢屋に何年も突っ込まれるんだ」と知り得るからです。一方で選挙というのは、数年に一度しかありません。なので、選挙違反というものがどこか違う町で発生したとしても、次の選挙の時までには忘れ去られてしまうのです。

なので、公選法に関しては立候補者以外にも具体的に認知してもらう機会が必須と考えます。(立候補予定者でも、知っててか知らずか違反する人いますけど)

 

インバウンドの現状と見込み

欧米諸国はもう新型コロナウィルス対策としての出入国規制をほぼほぼ撤廃しており、日本への旅行も回復しているとのことですが、やはり中国からの客が来ないので、免税店などではコロナ前の水準まで回復していないと言われております。22年12月8日時点で中国から見た場合、出国にも入国にも厳しい規制があり、海外旅行はほぼ0。まず出国に関して、パスポートの更新を実質上許可していない状況です。このコロナ禍の3年でパスポートを失効する人も増えましたが、海外に行って帰ってくるとウィルス持ち帰っちゃうからという理由なのか、更新を認めるケースはほとんどない、と。日本人夫と中国人妻のとある事例では、日本に住む夫の母が体調崩し、そのお見舞いのために妻がパスポート更新申請に行ったところ、審査官ではなく門番から「その日本人と結婚している証明を見せろ」と言われたそうです。やむなく一旦帰宅し、結婚証明書を持って再トライしたところ、その門番が今度は「この結婚証明書が本物という証明を見せろ」と言われたそうです。いかにも中国らしいやり取りですが、今度は夫も連れてきて説得。もしそれでもだめだったら、警備員の前でキスでもすれば信じてくれるか、いやしかしさすがにそれは、、、と覚悟したそう。次に審査官のところに行ったら、また同じ問答。結局なんとか発行してもらったそうですが、家族に日本人がいなければほぼ無理らしいです。そしてそもそも、個人旅行をまだ解禁していません。今日本に来ている中国人は基本的に商用で、仕事のついでにちょっと観光できるかな、という程度です。加えて帰国後に8日間の隔離があり、これはほとんど牢獄と変わらない生活(一歩も部屋の外に出られない)でなかなか辛い。そして飛行機に乗る直前或いはこの隔離期間にPCR検査が義務となっており、陽性だとホテルではなく本当に牢獄みたいな病院に連れていかれます。この怖さもあるので、陽性者だらけの日本に来たがる中国人はほとんどいません。

が、12月上旬から徐々にコロナ対応の政策が緩和されてきており、欧米系アナリストの予測でも来年4月か5月頃までには入国隔離も大幅に緩和されるのではと言われております(23年4月のF1上海グランプリは最近キャンセル発表されましたが)。そうなると、日本のGWにはまた中国人観光客が大量に戻ってくる可能性あり。これを恐れる日本人が、多いようです。

長年中国に住んでいて(約10年)、それなりに中国の習慣も分かったうえで敢えて言うと、確かに日本における中国人のマナーは悪い(ホテル室内での喫煙、温泉でプールのように泳ぐ、どこでもやたら大声で騒ぐ、列に並ばない、撮影禁止でもスマホ撮影おかまいなし、等等)。しかしそれは、そもそもマナーというものが存在することを知らないだけであり、指摘されれば理解してくれるケースも多々あります(60~70%の人は素直に言うこと聞いてくれる印象)。アメリカ人だってイタリアの高級レストランに短パンでやってきて顰蹙買うというのはよくある話ですし、日本人だって15年位前までは欧州の高級ブランド店で店員から嫌われる対象でした(やったら革製品をべたべた触るから)。わからない人には、はっきり言ってあげるのがむしろ親切というもの。どんどん言ってあげましょう。はっきり言わなくても分かるでしょ、が通用するのは日本人くらいなものです。たとえばホテルにチェックインする時にQRコードを読み込んでもらって、そこに書いてあるNG事例を全て読まないとチェックイン完了できない、といった仕組みを作るのも良いと思います。海外から来ている人にとってローミング料金は気になるものであり、そのため公共Wifiにつなぐ人も多いはずですが、それもNG事例全て読まないと接続できないようにする、なんてのも良いかも。そういう工夫が、観光地に求められると思います。

私にとっての軽井沢40年

 昔の写真とかあれば良いのですが、無いのでひたすら文章ばかりになります、あしからず。約40年前に親が南軽井沢に別荘購入してから、今に至るまでの振り返りです。

 まだ幼稚園児だったこともあり、購入当初の最初の思い出というのは曖昧ですが、「軽井沢は著名人が行く所・いる所」という漠然としたイメージは持っていました。例を挙げますと、まだ新幹線が開通する前の特急あさまに乗っていたら、隣の車両に車掌さんやってきて、とあるお客さんに恭しく挨拶していました。父がその様子を覗きに行った結果わかったのは、「王、長島、金田、堀内がいた。これから軽井沢でゴルフだって」ということでした。幼いながらも野球にそこそこ興味のある年頃だったので、彼らがとんでもないレジェンドであることは認識していました。

 近所にはレイクニュータウンがあり、そこには人造のレマン湖や、洋風のお城みたいな三越(そのお城はシュベルニー城という名称だったそうな)があったので、なんとなく「軽井沢=ヨーロッパみたいな場所」というイメージが定着。その後三越が撤退し、お城も解体され、レイクニュータウンのかつての賑わいは完全に消え去ってしまいました。。。それに代わって、プリンスショッピングプラザが栄えていくわけです。

 1980年代後半、私が小学生高学年の頃、旧軽井沢にはタレントショップが立ち並ぶようになりました。母はビートたけしの大ファンだったので、よく北野印度会社というカレー店に行きましたねえ。まだ小学生の私にとってはちょっと辛かったですが、「これが本場インドの味か!」と信じていました。のちに、そうでもないと知りますが。このタレントショップというのも、90年代に次々と撤退していったわけです。北野印度会社も2001年頃に閉店となりますが、代わりにテナントに入ったあってりめんこうじというラーメン店に衝撃を受けました。ドンペリセットというのが確か9800円でメニューに乗っていましたが、今から考えるとハイソな軽井沢別荘民への皮肉だったのかもしれません。あと、座敷席に雀卓があり、一応利用可能になっていました。中軽井沢に移ってからも次々と新しいことに挑戦しており、ラーメン界のコムデギャルソンと言っても過言では無いと思います。

 1990年に中学に進学すると、硬式テニス部に入部しました。これを機に、軽井沢でも親や友人とテニスをするようになり、けっこうハマりました。別荘地内に4面テニスコートあり、そこでは一度だけ神和住純さんがプレーしているのを見かけたことがあります。日本代表監督も務められたテニス界のレジェンドが、自分と同じコートでやっていることに感動しましたが、その後神和住氏は別荘を手放されたようです。ここでテニスをやって実感したのは、軽井沢の気圧の低さ。ボールがボンボン飛んで、いつもと同じ調子でやっていたらほとんどアウトします。あと、当然肺活量もより多く要求されることになるのですが、それは若さで克服していたような気がします。6人くらいで1日3時間はやってたはず。その後、軽井沢全般でテニス人口が減り、更地にされるテニスコートが目立つようになりました。我々の別荘地でも4面あったのが2面になり、一時は「1面でも十分では?」と理事会で議論されました。

 1996年に大学に進学し、テニスではなくサッカー部(一応体育会)に入部してから、あまり軽井沢に行く時間がなくなりました。1998年の長野五輪に合わせて上信越道長野新幹線が開通したのですが、その感動はほとんど記憶にありません。2001年に大学院に進学してから、後輩誘って何度か行ったことがあったかな、くらいなもんです。

 2004年に社会人になってからは、一人でふらっと行くことが多くなりました。営業部に配属になったこともあり、ゴルフをやらざるを得ない状況に。ゴルフには全く興味なかったのですが、まあ仕事の一種みたいなもんだからと渋々自分を納得させ、西軽井沢ゴルフ練習場に通っていた時期がありました(今気づきましたが、あそこは軽井沢ではなくて御代田だったのですね)。そこで、私の有り余るパワーはほとんど右向きのスピンに転化されることを思い知らされ、早めにゴルフとのお別れを決断することができました。サラリーマン、特に営業系は「ゴルフをやるのは業務命令」という雰囲気がどの会社でもあるでしょうが、興味ない人を無理やり巻き込むのはいかがなものかと思いますし、やりたくなけりゃ「やりません」とはっきり言えば良いかと存じます。

 その後、こんな私でも結婚する事となりました。旧軽井沢のホテル音羽の森で親族のみによるこじんまりとした式を挙げ、聖公会の司祭に祝福していただきました。それから数年後に娘が生まれた際、キリスト教に関連する名前を付けることとなりました。もしかしたら子宝に恵まれないかもしれないと思っていただけに、望外の喜びでした。神様に感謝です。

 子供ができると、行く場所も子供優先になります。日常的に利用する公園を、飽きが来ないようにあっち行ったりこっち行ったり。新型コロナの感染初期(2020年)は湯川ふるさと公園の遊具が使用禁止になって残念でしたが、それでも諏訪神社の前の公園や矢ヶ崎公園などに赴き、夏はよく虫捕りをしていました。親バカですみませんが、もし虫捕り世界選手権の4歳以下モンシロチョウ部門が有ったら優勝できたのでは、というくらいの腕前でした。ここ数年でいくつかの公園の遊具が一新され、娘も満足。町役場の地域整備課の皆様に感謝です。

 野生動物に恵まれているのも、小さな子供連れには良い環境です。直近一年でも、キツネ、タヌキ、鹿、ウサギに出会えました。朝5時頃に我が家の屋根裏からカタカタ小動物の足音が聞こえる時があるのですが、最初はネズミかと思ってました。たまたま5時頃起きて、足音の主を探しにベランダ覗いたら、リスがいました。キジもよく見かけますが、薩摩示現流の掛け声のようなあの鳴き声を、娘は怖がっています。娘が生まれる前の話ですが、キッチンの窓を開けっぱなしで東京に戻ってしまったことがあり、数か月後にまた来たらコウモリがリビングに住み着いていました。こういうリアルな出会いを通じて、動物一般に興味を持ってくれればと思います。

 私はもう人生の折り返し地点ですが、娘はまだまだこれから軽井沢と長い付き合いになるでしょう。一説によると、現時点で10歳未満の人たちの平均寿命は120歳になるとも言われています。つまり、あと100年くらいはこの町を見ていくことになる可能性が高い。その100年で、町も変わるところは変わっていくでしょうし、一方で変わらないように守り続けるべきところもあります。娘が見るこれからの軽井沢の100年が、美しいものであるために、私も貢献していきたいと思います。

 

 

談合・カルテル

 談合やカルテルと言うと、公共事業において建設業者が事前に入札価格や落札業者を取り決めたり、とある製品の業界において主要メーカが生産量や価格を調整する、といったケースが挙げられます。勿論、独占禁止法違反です。

 私の勤務先(メーカー)はこの方面に厳しく、「同業者と会う」「業界団体内で情報交換をする」ことすら極力控えるように指導されています。以前は業界団体内で各社毎月販売量を報告して公開していたのですが、その慣習もなくなっています。つまり独占禁止法そのものに引っかからないにしても、疑われそうなこともやめようね、というのが昨今の民間企業の風潮です(特に私の勤務先は)。

 ひるがえって、今回私が軽井沢町長選に立候補すると表明した後、何人かの方から「現職に対抗するために、反現職勢力はお互い話し合って一本化するべきだ」という意見を直接いただきました。正直大変びっくりしました。国政の小選挙区などで、立候補者を具体的に立てる前に政党間で候補者調整することはあっても、いったん立候補表明した人同士(しかも政党に属さない無所属)が集まって話し合いをして一本化する、なんて話は聞いたことがありません。これ自体は法律違反ではないのでしょうが、「法律違反を疑われる」可能性はありえます。具体的に言うと、公職選挙法第221条〜224条に規定されている候補者買収罪です。

 しかし、調べてみればそういうこともあるんですね。例えば2003年青森県東北町の例。町議会の議長が主導し、町議会議員選の定数18名に対し18名しか立候補しないよう、候補者調整していました。無投票ならば、選挙活動が不要となり、お金も時間も節約できるからです。これには現職議員も町長も関与していました。最後の最後でどうしても一人分はみ出してしまいそうになり、最終的に議長自らこの選挙への立候補を取りやめ、その代わり町の助役のポストをもらうということで決着しました。助役というのは議員ではなく、町長の直属の部下であるため、もちろん町長の合意のもとで、です。しかしこの後、アクシデントが発生します。立候補届け出締め切り5分前に、なんと町長の親類が立候補。更には議長も「やっぱり立候補します」という事態に。当然、他の議員たちは「おいおい話が違うだろ!?」と騒ぎます。しかし立候補の届け出は出してしまいました。ここで議員たちは話し合い、この二人を転出させれば良いと気づきました。地方議会議員に当選するためには、そこの住民でなければなりません。住民票を投票日前までに他の町に移してしまえば、その二人への投票は全て無効票となります。そして、この二名はそれに従いました。。。これだけでもとんでもないドタバタ劇ですが、更に話は続きます。選挙終了後、町長は約束していた助役のポストを前議長に与えなかったために、前議長がやけっぱちになって「こんなことがありました」と記者会見で暴露してしまったのです。これにより町長は逮捕、町議は18名中14名書類送検、それでも議員辞職しない者が大半であったためにリコール運動が勃発、という結末に。

 これは極端な例かもしれませんが、いずれにせよ立候補を表明している者が集まって話し合い、候補者調整するというのは買収工作を疑われてもおかしくありません。どうしてもやりたければ、やりたい人だけでやってもらえばよいと思います。ただ、私を巻き込まないでください。

別に政治家になりたいわけではない

 こう書くと、「じゃあなんで立候補するんだよ、票が割れて困る!」と言い出す人がまたいらっしゃるかもしれませんが。

 私は政治や政治家を目的にするつもりは一切ありません。政治は、何かを成し遂げるための手段だと思っています。私の場合、具体的には「新庁舎建設に対する見直しと、それにお金かけるくらいなら渋滞解消や健康増進等等にお金使いたい」というのが目的としてあり、その手段として選挙→政治という手段がある、ただそれだけです。

 人によって、目的と手段が入れ替わることは、よくあることです。例えば大学でよく見かけるテニスサークル。ある人は、テニスを目的として加入します。ある人にとっては他の大学生との交流が目的であり、テニスはその手段にすぎない、ということもあります。どちらが良い悪いというわけではないです。同様に、政治の世界にも「政治家になる=選挙に勝つ」のが目的、という人もたくさんいると聞いております。

 政治は目的ではなく手段、とする人の中で最もわかりやすい例は、NHK党の立花党首でしょう。立花さんは「NHKをぶっ壊す」という目的を持ち、そのために先ず司法を手段としました(*1)。つまり、裁判を仕掛けたのです。しかしこれはうまくいかず、次に政治を手段としました(今でもいろいろ裁判はやっていますが)。地方選で当選し、しかしその議員の職に留まることなく次々と他の地域で選挙を展開し、自分の仲間を増やしました。参議院議員の席も、あっさり捨てました(*2)。かなり珍しい例だとは思います、これほどピュアに政治を手段にしている人を見たことがありません。

 私の話に戻りますが、現在のサラリーマン職を辞するにあたり、「政治家の道を進むのですね」とよく言われるのですが、それはちょっと違います。例えば今回落選したとして、じゃあ今度は4月の地方統一選に出ようとか、とにかくなんでもいいから選挙があったら出てみる、というわけではありません。軽井沢の町政をどうにかしたい、だけなのです。仮にどこかの有力政党がやってきて、どこか他の地域の絶対当選する議席を用意しましたなんてこと言われても、興味ありません。

 

*1:社会や制度を変えたいと思ったら、日本には政治と司法という手段があるのですが、選挙制度も裁判所もロクに機能していない国は昔も今もあるわけで、そうなると残った手段は武力闘争になります。昔はそれが当たり前でしたが、現代日本では当然ながらNGです。

*2:ちなみにこの時繰り上げ当選した浜田さんは、私の大学時代部活の一つ下の後輩です。もう気軽にタメ口で話せる相手ではなくなりました。

③軽井沢町の課題と対策

 庁舎は行政サービスの手段の一つに過ぎず、それが目的化されるべきではありません。庁舎に快適性が求められることはあっても、必要以上の規模や機能は公的設備に不要です。そして庁舎というハードだけではなく、ソフト面でも住民に快適と思ってもらえる施策を推進するのが町政の任務です。勿論老朽化による建替えそのものは避けられないにしても、町役場の業務の見直し、電子化による効率向上を図ることで、対面業務の縮小=必要とされる空間の削減が検討されるべきです。これにより、単に庁舎建設費の削減や町役場効率化が達成できるだけでなく、住民にも手続きの簡素化というメリットが生まれます。

この前提の下で、特に注力したいと私が考える課題を下記に挙げます。ポイントは、「住民全体にメリットのある施策」です。立派な庁舎を建ててもらって喜ぶのは、職員と建設業者だけです。住民のほとんどにとっては、どうでもいいことです。一方で軽井沢と同様に財政力が強い自治体、例えば愛知県飛島村では、結婚祝い、出産祝い、長寿祝いといった補助金や、要介護者へのタクシー券配布といった福祉面の充実が実現されており、税収からの富の再配分が社会全般に行き渡っています。このような「住民全体」という視点に加えて、軽井沢という町の特殊性(観光都市であり、且つ文化保養都市である)を視野に入れ、住民以外の人たち(観光客や別荘民)にとってもメリットある対策が十分に検討されるべきと考えます。

 

1.行政手続きと役場内業務のデジタル化・簡便化 →庁舎規模の縮小

 既に町政が想定している窓口業務のオンライン化を前倒し導入し、住民がわざわざ役場まで来なくても手続きできるシステムを構築します。そのためには町役場内部の業務のデジタル化が必要となり、例えばハンコで稟議を回すのではなく電子専決決裁で業務が回る、という業務形態が前提となります。それにより、

 ①必要とされる窓口スペースや駐車場の縮小 →庁舎規模の縮小

 ②手渡しの書類が減り、職員のリモートワーク可能に →職務スペース=庁舎の縮小

 ③業務効率化により、オンライン手続きに慣れない高齢者や介護者への訪問工数確保

が実現できます。現状の庁舎改築計画では、将来的にデジタル化が進んだ場合にそのスペースを住民交流スペースへ転用となっているが、そうではなく初めから業務デジタル化を前提としたコンパクトな空間設計とします。既に中央公民館等の交流スペースは存在しており、そのような空間を庁舎・複合施設に織り込む必要は無し。その分土地は余ることになりますが、そこに軽井沢らしい緑化・植林を図ります。

*既に「ながの電子申請サービス」が開始されているが、まだ婚姻届けや住民票移動、運転免許返納といった主要手続きには対応できていない。飼犬死亡届や水道用途変更届等に留まっている

*国のデジタル庁が発足したものの、脱ハンコ行政の進展は鈍い。既に先行してデジタル決裁導入した茨城県のような自治体の例が参考になる

 

2.オーバーツーリズムへの対応

 もともと軽井沢は、インバウンド隆盛以前からGW・夏季休暇の「町内パンク状態」が常態化。プリンス通り等が渋滞し、町中至るところに行列のできるレストラン。それでも町政は観光事業を無分別に推進してきました。加えてアフターコロナ時代を迎え、インバウンドの本格的復活が23年に見込まれます。住民及び観光客のストレスを緩和するために、下記を推進します。

①軽井沢外への誘導:

御代田、佐久、東御等も同時に楽しんでもらうため、しなの鉄道との連携強化。平日でも満車になる軽井沢駅及び中軽井沢駅前の駐車場を立体化して収容能力増強し、半日以上の長時間利用の駐車料金を下げます(例えば中軽井沢駅前なら500円→300円。その分短時間利用を200円→300円に)

②旅行シーズンの分散:

紅葉後からGWまでは町内は閑古鳥、故に飲食店などがどんどん数年で閉店します。夏と冬の格差解消が課題で、カーリング等のウィンタースポーツは発展の余地あり。カーリングの国際大会が軽井沢で開催されるのに、イマイチ盛り上がりに欠けます。また中国南部(香港や台湾含む)や東南アジアは雪が降らないので、これらの国からの観光客は雪を喜ぶ傾向がありますので、この地域への売り込みが効果的。北海道のやり方が参考になるはずです。

*医療ツーリズムも本来季節を問わないものであり、特に閑散期での外国人誘導と関東圏のクリニックの誘致も一考の余地あり。空気の良さもあって文豪や外国人の療養先に選ばれてきた歴史をアピール

③迂回路や渋滞緩和システムの整備:

住友電気やNECが大学と協力して一部自治体で試行している、AIを活用した渋滞緩和システムを導入。このシステムは、今年4月岡山県で実証実験成功し、今後各地で導入が進むと見込まれます。或いは鳥井原橋の拡張等、今まで進められてきた迂回路整備を拡大していきます。

 

3.国際観光都市にふさわしい街づくり

 オーバーツーリズム対策をしたうえで、観光客の数を増やすのではなく一人一人の満足度向上を目指しつつ、住民にとってもメリットのある策を進めます

①市内循環バスの増加:

現在は終バスが19時台、夜に飲んだら代行かタクシーしか頼れなません(観光シーズンはこれも不足する)。せめて、飲食店が概ね閉店する22時までの運行拡大を目指します。現在運行している千曲、西武、草軽に要望してもダメなら、この3社と競合しないように夜間に限って町営バスを運行します。

②主要観光地での無料Wifiの拡充:

現状、主要観光地のいくつかでは公共Wifi入りますが、電波が弱いです。特に外国人観光客にとってはWifiを使えるか否かでローミング料金が大幅に異なってきます。日本人でも、若年層中心に携帯電話料金に対して敏感であり、管政権の携帯電話料金引き下げは高く評価されました。旧軽井沢銀座、プリンスショッピングプラザ 、駅構内を中心にWifi環境強化します

③マナーの注意喚起:

外国人が日本のマナーを知らないのは、ある意味当然です。逆に、言われれば理解してもらえることが大半です。例えばホテル宿泊時には必ずホテルWifiを利用するはずですが、マナー注意事項(喫煙所以外では禁煙、23時以降は静かにする、列に並ぶ際は横入りしない、等)をしっかり読まないとWifiに繋げられないといった仕組みを整備します。

 

4.国際文化保養都市を守るための、罰則規定を伴う環境・景観保護

自然環境を保護するための軽井沢町独自の要綱には、いずれも罰則規定がありません。これに従わない業者が出てくる可能性は十分ありえます。現在策定中の環境基本計画に罰則規定を盛り込むか、景観法を適用して軽井沢町を景観行政団体に移行させ、罰則を制定します。

主要先進国で、外国人の不動産購入に対し比較的緩かったのがアメリカと日本。それ以外の国では外国人に対し明確な購入規制を定めている。アメリカが金融引き締めに転じ、金利上昇とドル高を招いたため、アメリカへの不動産投資意欲が減少し、ゆえに日本の物件の引き合いが強い。軽井沢も既にそのターゲットの一つとなっている

 

5.高齢者の健康増進

 公的コストという観点で見れば、病気やけがになってしまった後の医療費よりも、それを防ぐための予防対策に注力した方が少ないトータルコストで済むことが知られています。2万人という人口規模の軽井沢町政においては、医療体制がより充実している近隣自治体との連携に注力しつつ、主に高齢者の健康増進に注力すべきと考えます。都道府県別寿命ランクにおいて、長野県は男女ともに全国1位を争う位置にいながら、健康寿命(医療や介護を日常的に必要としない期間)は25位前後。軽井沢町でも、健康寿命が課題となります。

タクシー券補助:

高齢者のお出かけを促進することで心身の健康増進を図る試みに、「すこやかお出かけ利用券」が既にありますが、ジム・温泉・タクシー・バス向けに合わせて年間5000円ではほとんど効果ありません。タクシーだけでも、年間30000円(2500円*12か月のイメージ)を全75歳以上に支給。町内75歳以上人口は約3000人なので、年間予算は9千万円。上述のバスの増強は、この問題ともつながってきます。

*軽井沢と同じく財政力の高い飛島村では、要介護高齢者に年間最大約6万円のタクシー利用を補助

*以前の町長選でも、ある立候補者が上記に近い内容を提案していたが、それを模倣したわけではない。逆に言うと、他の方も思うような課題が、そのまま4年間見過ごされてきたということ

②毎日の歩数インセンティブ

iPhoneなどの標準搭載されている健康アプリに表示される歩数に応じ、クーポン券を配布。半年に一度、アプリ画面をスキャンしてスマホから送信し、クーポン券を郵送或いはスマホダウンロード。

カーリングは「冬のゲートボール」:

平野部ではゲートボールが一年を通じて楽しまれており、高齢者交流の場となっていますが、軽井沢では冬にゲートボールは厳しいですね。逆に、軽井沢の強みでもあるカーリングを通じて高齢者の健康増進図ります。カーリングの特徴として、健常者、障碍者、高齢者が一緒にプレーできるという点があり(他のスポーツでは、これらを区分してプレーする場合が多い)、カナダや北欧ではそうした幅広い層のカーリング参加が社会全般に浸透。風越公園には既に国際大会を開催できるようなアイスパークがあるが、ここまで立派なものでなくても、気軽に利用できるカーリング場を更に整備します(町営であれ民間であれ、屋内であれ屋外であれ)。

風越公園のアイスパークはカーリングナショナルトレーニングセンターに指定されており、地元の軽井沢SC等は国内トップクラスのチーム。軽井沢中学にもカーリング部があり、20-30人の部員がいる。この中でもトップクラスの生徒がSC軽井沢アカデミーに選抜され、世界で活躍。今年の世界ジュニア選手権女子で優勝(日本勢としては初)。軽井沢町姉妹都市であるカナダ・ウィスラーもウィンタースポーツが盛んで、2010年バンクーバー五輪ではボブスレーノルディック複合の会場になったが、スポーツを通じての更なる交流が望まれる。カーリングを冬の軽井沢の目玉イベントにすれば、夏冬の観光客格差を埋める事にも

 

6.職員活性化:

 良い町を作るには、町役場の職員に活力がなければなりません。それは、豪華なハコを建てる事では実現しません。フレックスタイムやリモートワーク等を促進し、昇給も躊躇なく検討します。上述の通り、リモートワークの前提は「手渡し書類の削減・ハンコ文化の根絶」であり、そのシステム構築に努めます。

*現状の職員数は、医療系含めて420人。仮に平均5万円のベアとして、年間2100万円の人件費増

②なぜ町長選へ立候補?

1.新庁舎建設計画への怒り

 前回のブログ記事でもお伝えした通り、私は富裕層でもなんでもありませんが、軽井沢の端っこにひっそりと佇む別荘を利用しながら、年に数回軽井沢を訪れています。この別荘には、固定資産税がかかります。家を持っていれば固定資産税がかかるのは当然ですが、住民票を有していない土地にある物件には、通常の2倍程度の固定資産税がかかります。これは「贅沢品」として分類されるからです。これに加えて、県や町に対して町民税というのも払うことになります(金額は数千円ですが)。もちろん、今まで滞納することなく払ってきました。名義は親のものですが、実際に使っているのは私なので、実際に支払っているのも私です。

 それはそれで良いのですが、今年の夏に例の「新庁舎110億円」問題を耳にした時、「別荘族からじゃんじゃん金が取れるからって、やりたい放題やりやがって!」という怒りが湧いたわけです。そりゃまあ別荘持つような人にはお金持ち多いですから、年間10万円前後払ってもなんとも思わない人もいるでしょう。でも税額がどうであれ、自分の財産の多少はどうであれ、同じような怒りを持つ人は他にもたくさんいるのでは?選挙権を持っていないゆえに現在の町政にNoと直接言えないことに、もどかしさを感じている人も多いのでは?という思いを強くし、ならば町長選に立候補することでその人たちの思いを集めたい、町の外にいるからこそ分かる視点を町民の皆様に広く訴えたい、と考えるようになったのでした。で、実際いつ町長選があるんだろうなと調べたら、23年1月。ちょっと時間は足りないような気もしますが、出ることは出られるなあ、と。

 

2.供託金と公費負担

 しかし選挙に出るには、それなりのお金が要ります。誰でもなんでも立候補されることを防ぐため、「ある程度票を取れる見込みのある人だけ立候補してほしい。なので、参加費みたいなものを取ります」という制度があり、これを供託金と言います。ただ、ある程度の得票を得ればこれは返還されます。町長選の場合、有効得票の10%と決まっています。

 もう一つ、選挙運動するのにかかるお金というものがあります。ボランティアの方々への人件費、ポスターやビラなどの作成費、選挙カーのレンタル代金、事務所開設費用、などなど。。。これが、一般人が立候補するのを躊躇わせてきた大きな要因となっていました。しかし、2年前に大きな制度改革が決定されました。ポスター、ビラ、レンタカーの費用を、ある程度公費で負担する、ということになったのです(軽井沢だけでなく、全国の地方選挙で)。これで、選挙に必要な費用がぐっと減りました。まあこれも、供託金と同じように「あんまり得票少なかったら自腹で払ってもらいますよ」という制度なのですが、いずれにせよこうした制度改革が私の決断を後押しすることになりました。前述の供託金も、町長選の場合は50万円。衆院選の300万円に比べたらまあなんとか払えるし、最悪没収されても、町の歳入となりそれが町民の皆様のお役に立てられるのですから良しとしましょう。

 23年春の統一地方選、及びそのちょっと前の地方首長選のほとんどが、この公費負担制度を初めて適用する選挙となります。私だけでなく、多くの「普通の人」が政治参加できる機会になればと願っています。たまに「あんたが出馬すると票が割れて困る」とか直接言ってくる人もいらっしゃいますが、私から言わせればそれは民主主義への冒涜だと思います。選挙に投票するのと同様、選挙に立候補するのも民主主義の根幹を成す権利です。あんたが立候補したら困る、と言うのは、あんたが投票したら困る、と言っているのと同じです。